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わたなべ結の大阪経済提言
「3つのチェンジ」でくらしと大阪経済の立て直しを

2016年6月14日 わたなべ結(日本共産党大阪府委員会青年学生委員会責任者)

(1)発表にあたって

 私はこの間、「大阪若者提言」「女性提言」「子どもの貧困打開への緊急提言」をだし、府民各層に広がる深刻な格差と貧困をどう打開するか。その展望を示してきました。4月28日には「『消費税10%はきっぱり中止を』――この声を大阪から」というよびかけを発表しました。
安倍首相が参院選を目前に「消費税10%増税再延期」を表明しました。これは「アベノミクス」の破たんを認めたものです。その失政の責任は重大であり、日本共産党は民進、社民、生活4党共同で内閣不信任案をつきつけました。
大阪府民のくらしと大阪経済の危機を打開するうえで、アベノミクスをなおも続けるのか、それともこれを根本転換し、庶民のふところがあたたまる方向へと経済のカジを切り替えるのか。参院選は、この点でも重大な意義をもちます。

(2)大阪のくらしと経済のゆきづまり――なぜこんな事態になっているのか

 大阪のくらしと経済は全国の大都市部のなかでも深刻さがきわだっています。大阪府内雇用者の実質賃金は、2015年まで5年連続でマイナスになっています(規模30人以上)。
ふりかえれば大阪経済の落ち込みは、90年代の「関空・大阪湾ベイエリア開発」などゼネコン浪費型公共事業の破たんともあいまって深刻化してきました。関西経済連合会(関経連)も「関西経済再生シナリオ」(99年)で、関西経済は「絶対的衰退」にあると危機感を表明しました。
ところがその打開のための方策はとられないまま、その後も大阪経済はさらにゆきづまり、危機を広げてきました。その要因は、次の点にあります。

① 府民の所得、内需を冷え込ませた自民党政治
自民党政権は、大企業が労働コストを下げられるように雇用の規制緩和をすすめてきました。大阪では非正規雇用の割合は4年前に4割を超えています(当時、全国平均38.2% 厚生労働省調査)。その後も正規雇用は2013年215万人から2016年1~3月、205万人に減少する一方、非正規雇用は137万人から150万人に増えています。2002年度に41904人だった派遣で働く常用雇用は2015年6月時点で78176人に増えています。
雇用の不安定化は、所得の低下につながります。府民一人あたり雇用者報酬は、2001年度の577万円から2013年度の526万円。約1ヵ月分が吹き飛んだことになります。
大阪府の経済・労働白書もこれまで「個人消費が平成14年以降の景気回復期においても弱含みのまま推移した背景には、実収入が増えず消費者の購買力が上がらなかったことが影響している」(2009年版「大阪産業の平成の軌跡と展望」)とのべていました。
② 家計消費の落ち込み。追い打ちをかけた消費税増税
府内総生産のなかで52%を占める「家計消費」は、名目でも3年連続マイナスになりました(総務省「家計調査」)。家計消費は2001年度を100とすると東京、神奈川、愛知は5.9~11.3%の伸びを示すのに、大阪は98・0(マイナス2%)と異常さが目立ちます。
また消費税が個人消費を冷やし、「商都大阪」を直撃しました。導入時の1989年に府民の民間最終消費は前年比で1.5%落ち込みました。1997年の「5%増税」時はマイナス2.8%、2014年の「8%増税」時はマイナス0.7%の落ち込みです。
③ 大企業の身勝手な拠点・本社の府外移転と中小企業の激減
この間、大企業の本社・拠点の東京あるいは海外への移転が急増しました。大阪府の2009年版経済・労働白書は「大阪経済の対全国シェア低下の一因として、大阪に本社を置く企業の本社機能の首都圏への移転があげられる」と指摘。その動きを「全国市場、海外市場で事業をすすめる大企業においては、広報、国際、経営企画等の本拠を首都圏に置くメリットが大きい」からと大企業の都合ですすめられたことを指摘しています。
1991年から2014年にかけて府内事業所のうち50人未満の事業所は約7万1000カ所減り、そこで働く従業者数は26万4000人の減少です。
製造業の2013年の製造品出荷額は16兆円で、1990年の24.5兆円から35%も減っています。
大阪府の調査報告書(「大阪経済成長と産業構造」)も、「1990年代には基礎素材型を中心に、2000年代ではほぼ全ての業種でマイナスとなった製造業の競争力低下は、卸売・小売業、飲食店やサービス業などの地域の他の産業にもマイナスの影響を与えたとみられる。製造業機能の府外流出が有力な候補として挙げられる。それ以外にも、本社機能の流出も対事業所サービス業の伸び悩みなどに影響を与えたとみられる」とのべています。

 この10数年来の経緯が示すものは、文字通り府民、労働者のふところが冷え込まされ、「内需」がやせ細ってきたこと、大阪経済の「主役」である中小企業つぶしが進められたところに最大の問題があり、その打開こそ急務中の急務です。

(アベノミクスと「維新政治」の無策・失政)
「アベノミクス」は一部の大企業や富裕層に巨額の恩恵をもたらしました。大阪労連が2016年1月に発表した資本金100億円以上の府内本社大企業の内部留保は、前年より1.6兆円上積みして32.5兆円に達しています。
一方、府民のくらしは、不安定雇用の増加や実質賃金の低下、医療・社会保険の負担増と給付減など貧困と格差が拡大しています。大阪の子どもの貧困率は、90年代後半以降急速に悪化し、全国で2番目の高さになっています(山形大学の戸室准教授による)。
大阪の「維新政治」は、①「大阪府と大阪市があったから大阪はダメになった」などと大阪のゆきづまりの原因と責任から目をそらして「大阪都」構想づくりの政争にあけくれ、②「労働市場は自由にしなければ、世界各国から企業は集まらない」 「大企業が中小企業の売り先。大企業があってやっていける」(橋下氏)と「大企業応援」の「特区」づくりにのめりこみ、③その一方、大阪府では8年間に1551億円、大阪市では4年間に709億円規模で、住民の暮らし関連施策の軒並みカットを進めてきました。

(3)日本共産党の「3つのチェンジ」で大阪はどう変わるか

 日本共産党は、破たんしたアベノミクスへの対案――格差をただし、公正な社会をと「3つのチェンジ」(税金の集め方・税金の使い方・働き方のチェンジ)を掲げています。

① 税金の集め方を変える
大企業へのゆきすぎた減税をあらため、中小企業並みの税率にもどすだけでも6兆円の財源がでてきます。富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革、国民の所得を増やす経済改革で税収を増やし、消費税に頼らずに社会保障の充実と財政再建をすすめます。
―所得の低い人ほど重い負担になり、消費を冷え込ませ景気を悪化させる「消費税10%」は、先送り実施でなく、きっぱり断念します。
―「103万円の壁」をなくし、「生活費には非課税」の立場から、所得税や社会保険料の課税最低限度額を引き上げます。
―4兆円もの大企業減税や大金持ちほど低くなる所得税率、タックスヘイブンなどにメスを入れ、応分の負担を求めます。
② 税金の使い方を変える
2016年度のオスプレイ4機購入費447億円があれば、大阪府の保育所待機児3349人は解消できます。トヨタ1社の減税は5500億円。国の中小企業予算総額は1825億円(1社当たりたった47897円)。こんな逆立ちしたムダづかいと不公正をやめ、社会保障の充実と中小企業を抜本的に支援する予算を確保します。
―未来を担う若者に投資します。学費を10年間で半額にします。月3万円の給付制奨学金をつくります。奨学金はすべて無利子にします。
―子育て支援を抜本的に強化します。認可保育所を30万人分緊急整備で待機児童をなくします。高校卒業までの医療費助成を国と府・市町村の協力で改善します。
―安心の社会保障に転換します。年金の削減を中止し、暮らせる年金にします。特別養護老人ホームを増設し、待機者を解消します。介護と国保の料金を引き下げます。
―中小企業の予算を1兆円へと抜本的に引き上げます。IT化、販路開拓、研究開発、後継者づくり支援など抜本的支援を行います。住宅リフォーム助成や商店リフォーム助成など、中小企業に仕事を増やす施策を実施します。
③ 働き方を変える
「多様な正社員」の名による非正規増や残業代ゼロなどの雇用のルール破壊にストップをかけ、人間らしい働き方に変え、誰でも8時間働けば、まともに暮らせ、人生設計できる社会にします。
―正社員を派遣社員に置き換えるための労働者派遣法を抜本改正し、派遣から正社員への流れをつくります。
―中小企業の社会保険料の使用者側負担軽減などの支援と一体で、最低賃金をいますぐ時給1000円にし、さらに1500円をめざします。
―ブラック企業を根絶します。残業時間の上限を法律で規制、翌日の勤務開始まで11時間以上の休息時間保障、サービス残業には支払賃金を〝倍返し〟にします。

 日本共産党はこうした「3つのチェンジ」と一体に、「『消費税にたよらない別の道』―日本共産党の財源提案」を示しています。①富裕層や大企業への優遇をあらため、「能力に応じた負担」の原則をつらぬく税制改革、②大企業の内部留保の一部を活用し、国民の所得を増やす経済改革で、税収を増やします、という2つの柱です。大企業優遇税制を見直して4兆円、法人税率引き下げをやめ、安倍政権以前の水準に戻す(中小企業は除く)なら2兆円など、具体的な展望を明らかにしました。

安心して働き、くらせる大阪に

 「3つのチェンジ」をつらぬけば、日本経済のゆがみをただし、格差と貧困を打ち破り、消費税増税に頼らない社会保障の財源を確保することができます。それは安心して働き、くらせる大阪に変える決定的カギです。

(庶民の購買力増で、商都大阪の景気を回復)
消費税の10%増税による府民負担総額は、約2400億円にもなります。これは大阪中の百貨店、あるいはコンビニの総売上の3ヵ月分にもなるものです。これを「延期」ではなく、「断念」してこそ、大阪経済の半分以上を占める個人消費を増やせます。
また、「働き方を変える」改革で、大阪の111万8000人のパート労働者の時給150円アップや、大阪に本社をおく大企業の内部留保を活用した月2万円の賃上げをすれば消費に回る金額は5377億円、生産誘発効果は4985億円と試算されています(大阪労連ビクトリーマップ)。立場の違うシンクタンクからも、「需要の増加に必要なのは、ほかでもない賃金の上昇である」「家計も、ない袖は振れないため、そもそも賃金が増えていなければ、需要は増やせない。つまり、『需要が増えるためには、賃金の増加が必要』なのである」(荒木秀之りそな総合研究所大阪本社主席研究員『関西から巻き返す日本経済』)との指摘があります。

(社会的公正を実現し、生き生きと働き、安心してくらせる大阪に)
派遣法や労働法制の改正は、正規でも、非正規でも人生設計ができる社会への展望を開きます。
私たちの「府内1000人若者調査」では、学生の約半数が奨学金利用によるローンをかかえ、その6人に1人が「500万円以上」でした。給付制の創設など「奨学金革命」で、「お金の心配なく学べる」「希望をもってじっくり研究できる」環境をつくることができます。
育児休業などを理由に「待機児」から外された児童も含め保育所を必要とするすべての児童が入れる認可保育所が整備され、豊かな子どもの成長を助け、保護者が安心して働けるようになります。
介護保険外しをやめさせ、住み慣れた地域で安心したくらしができるようなります。特別養護老人ホームの増設は、高齢者が尊厳をもって暮らせる環境を提供します。大阪で1万人といわれている「介護離職」を減らすことができます。

(大企業も、中小企業も発展する大阪への道ひらく)
「3つのチェンジ」でつくられる安心して子育てできる環境は、人口減少への歯止めになり消費を縮小から拡大に転換します。大企業に社会的責任を果たさせ、人間らしい労働と安定した雇用を確保することは、ゆとりある生活を実現します。安心の社会保障は消費マインドを高めます。医療・福祉・介護など、新しいニーズを掘り起こします。
全国有数の集積とネットワーク、技能・技術力をもつ大阪のものづくり中小企業が、これらの需要を取り込み、製品化・事業化できるよう支援を抜本的に強めることで、大阪経済低迷の要因の一つとなってきた製造業を再生し、それをサービス業、飲食業に波及させ、大阪経済を元気にすることができます。くらしの向上と内需を軸とした経済構造に切りかえ、中小企業も、大企業も発展する大阪に変えることができます。

(4)この道を、日本共産党とともに、共同の力で

 私はよびかけます。
参院選公示を目前に、「野党は共闘」という市民の強い願いを受け、32の1人区すべてで野党統一が実現し、「大阪でも野党がそろって勝利し、自民、公明、おおさか維新を少数に」という流れが広がります。
そのなかで4野党が共同で国会に、「戦争法廃止法案」に続き、長時間労働を規制する「労働基準法改正案」をはじめ、「介護・障害福祉従事者人材確保特別措置法案」「児童扶養手当法改正案」「保育士処遇改善法案」などくらしと経済にかかわる15本の法案を提出し、これを参院選での「野党共通政策」とする点でも合意されました。
日本共産党はこれらの共同を誠実につらぬくとともに、「3つのチェンジ」をかかげ、格差をただし、誰もが豊かなくらしを実現できる日本と大阪へと全力をつくします。
この道をごいっしょにすすみましょう。

以上

「消費税10%はきっぱり中止」の声を大阪から

2016年4月28日 わたなべ結
(日本共産党大阪府委員会・青年学生委員会責任者)

(1)日本共産党大阪府委員会の「1000人調査」から

日本共産党大阪府委員会は4月4・5の両日、府民1000人インターネット世論調査をしました。「10%増税」には「ただでさえ消費が滞ってるのに、これ以上あげると前より余計冷え込む」(31歳女性)、「税率を上げても税収が減るから意味がない」(44歳男性)などの声が書き込まれ、「当面延期すべき」が36.9%、「中止すべき」が18.5%、「5%に戻すべき」が29.0%(あわせて84.4%)にのぼる一方、「実施すべき」はわずか15.6%でした。
また、「8%増税が良かった」はわずか3.5%。「良くなかった」が52.9%でした。「良くなかった理由」では、「くらしに悪影響」が62.8%、「景気を悪化させたから」が52.6%でした。増税によってくらしも、大阪経済も壊されていることが鮮明に示されました。
こうした府民の声と願いを受け、私は4月18日、日本共産党大阪府委員会がおこなった政府交渉の際、安倍晋三首相に「消費税10%増税の中止と負担能力に応じた税制改革を求める」要望書を提出しました。

(2)消費税増税―大阪にとっての3つの大問題

消費税増税は、大阪府民のくらしと景気を壊す3つの大問題があります。
第1に、最悪の「くらし破壊税」になることです。
3月に公表された大阪府民経済計算でも消費税が8%に増税された2014年度の実質成長率は横ばい(0%増)で、「消費税増税に伴い消費が冷え込み、民間最終支出の減少が見られた」とされています。また、大阪市の家計消費支出は、全国以上に落ち込み、8%増税の打撃の大きさが見られます。
「1000人調査」でも、増税のために「買い物を控えた」との声が半数近くにのぼり、反面「医療費」「教育費」などは減らしたくても減らせず、家計を大きく圧迫している現状がうきぼりになりました。
さらに10%増税となれば、1世帯あたり62000円、府民全体で約2400億円もの負担増になります。
第2に、消費税は低所得者ほど負担が重く、その増税は「格差と貧困拡大税」となることです。
消費税はそもそも「低所得者ほど重い負担」という逆進性をもつ不公平税制です。加えて大阪の昨年の実質賃金は4年連続で減っています。2007年~2013年度の雇用者報酬、府民所得は全国以上に落ち込んでいます。「1000人調査」でも、「年収は300万円以下」という方が5割をこえています。
また雇用面で、企業にとっては、「派遣労働者を増やせば消費税が減らせる」(「仕入れ時の支払い分」に派遣社員の受け入れ分を算入できるため)という仕組みのため、雇用破壊に拍車がかかります。
さらなる増税が大阪府民の「格差と貧困」を大きく拡大することは目に見えています。
第3に、消費税増税は、中小企業の街・大阪で、家計消費を冷え込ませるとともに、消費税を転嫁できない中小業者を痛めつけ、二重三重に「景気破壊税」「商都大阪破壊税」となります。
中小企業は、消費の冷え込みによる売上減に加えて、価格転嫁できず、身銭を切って納税せざるを得ない事態に直面します。大阪商工団体連合会の事業者1万調査でも、8%増税時に「転嫁できていない」は、62.9%にものぼっています(全国は56.3%)。大阪シティ信用金庫の調査(2014年6月)でも、「全額転嫁できていない」は55%となっています。「軽減税率」が導入されるなら、飲食店などでは逆に納税額が増えるという問題もかかえます。
「仕入れには消費税を払っていますが、その分をお客様からは頂けない」「商品の値段が上げられないので仕入単価ばかり上がり利益も少なくなっている」「税金支払いのために働いている感じ」などの切実な声が寄せられます。

(3)わたなべ結はよびかけます

私は、府民のみなさんによびかけます。

1.大阪の経済、くらし、雇用、中小企業を壊す「10%増税」は、きっぱり中止させましょう。

2.「税金は負担能力に応じて」の原則にたって、富裕層と大企業に応分の負担を求める公正で民主的な税制改革を行いましょう。4兆円もの大企業減税ばらまきをやめ、研究開発減税など大企業優遇税制の抜本的見直し、所得税の最高税率の引き上げ、高額の株取引や配当への適正な課税をし、消費税に頼らない別の道でくらしを支える財源をつくりましょう。

3.ごく一部の大企業・富裕層だけが恩恵を受けながら、実質賃金は低下するなど破たんがはっきりした「アベノミクス」にピリオドをうち、消費税10%増税を中止し、経済の最大のエンジンである家計をあたため、景気を回復させましょう。大阪に本社をもつ大企業(資本金100億円以上)だけでも内部留保は32兆円にのぼります。その1・7%をとりくずすだけでも月2万円以上の賃上げができます。中小企業の社会保険料負担の軽減などの支援と一体で、最低賃金を時給1000円にし、さらに1500円をめざし、くらしを安定させ、豊かな大阪にしましょう。

「戦争法廃止」「安倍内閣打倒」などをうたった画期的な「野党合意」以後、くらしと経済をめぐっても、国会に野党共同で「介護・福祉職員賃上げ法案」「児童扶養手当拡充法案」「保育士処遇改善法案」「長時間労働規制法案」がだされました。市民が声をあげれば、政治は動かせます。不公平税制の改革とくらし最優先で日本経済再生をはかる経済改革で、消費税増税しなくても社会保障を支える財源はつくれます。
「消費税増税はきっぱり中止を」――この声を大阪から大きく広げ、くらしと景気回復へ、政治の転換をご一緒に実現しょう。

以上

誰もが安心して暮らせる政治をみんなの力で―わたなべ結の「大阪女性提言」

2016年4月8日

第1章 わたなべ結からあなたへ

「保育園落ちた。日本死ね」――保育園に子どもを預けられない問題で、ママたちが切実な思いをストレートに政治にぶつけました。その声にこたえて3月、5野党が共同で国会に「保育士給与の引き上げ」をめざす法案をだすなど、政治の変化をつくりだしています。
また、昨年から続く安保法制(戦争法)を許さない運動では、「安保関連法に反対するママの会」が全国で立ち上がり、「だれの 子どもも ころさせない」というよびかけが共感をひろげています。
大阪では、「大阪都」にノーを突き付けた大阪市の「住民投票」や前大阪市長の「慰安婦は必要だった」暴言を許さない問題などで、女性のパワーが市民運動を引っ張ってきました。
私は、さまざまな問題で声をあげる女性たちの力強い動きに、平和で安心して暮らせる社会を切りひらく希望はここにあると感じています。

残念ながら、日本での女性の立場は、社会的に特別に弱い状態におかれています。私が最初にそのことを実感したのは、学生時代の就職難の中で直面した女子学生に対する就職差別でした。「就職難に泣き寝入りしない女子学生の会」で、改善を求めて仲間と声をあげました。その後、非正規雇用で働く中でも、低賃金で不安定な雇用で働く女性の多さと実態を目の当たりにしてきました。

昨年、参院選出馬表明以来、多くのみなさんから切実な実態をお聞きし、庶民の暮らしの実態に寄り添う政治の実現が必要だと痛感してきました。とくに私たち女性がおかれている実態がとりわけ深刻だと実感してきました。
職場では、非正規雇用が増え、その7割が女性。低賃金と長時間労働、男女差別に苦しめられています。待機児問題が大きな社会問題になり、子育てママの不安を増大させています。年収184万円のあるシングルマザーの国民健康保険料と年金保険料の負担が約40万にものぼる(大阪市)ように、シングルマザー世帯の生活苦も深刻です。高い学費と「奨学金ローン」、「ブラックバイト」に追われ、将来展望をもてずに心と体を傷つけられる女子学生。「みてこ」(身分証を提示できない子)と呼ばれ、風俗に追われる未成年女性の存在にも衝撃を受けました。高齢者は低年金のうえに、「介護するのも、されるのも女性」といわれています。
「女性の貧困」は「見えない貧困」ともいわれます。女性の誰もが家族や本人の病気や失業などに直面すると、いつでも「経済的困難」に陥る可能性があります。そして、頼る人がいない場合、孤立化し、簡単にぬけだせない事態になっています。

こうした現状が生まれているのは個人の問題でしょうか。けっして個人の問題ではなく、政治と社会のあり方にこそ問題があります。
大きな要因の一つは、大都市部のなかでも、大阪がもっとも「貧困と格差」に陥る地域になっている問題があります。実質賃金は東京や首都圏、愛知、福岡など大都市部の都府県と比べても低下し、非正規率は高くなっています。そのなかで女性の賃金は低く抑えられています。妊娠・出産を機に職を離れ、子育てが終わってからまた働きだす割合も、他府県よりも高くなっています。
これに「政治の貧困」が追い打ちをかけています。安倍内閣は「女性活躍」をいうものの、賃金の引き上げや格差是正には実効ある手立てをとらず、社会保障の切り捨てをすすめてきました。大阪の「維新政治」は、350人の学校事務非常勤職員を真っ先に切ったことに象徴されるように、雇用を不安定にさせ、非正規労働を増やしてきました。また出産、小児医療にかけがえのない役割を果たしている住吉市民病院つぶしをすすめ、女性支援のための施設(ドーンセンターやクレオなど)や施策への予算を削り、民営化をすすめてきました。

私は、いま女性がおかれている現状を改善することは、女性のみならず、誰もが安心して暮らせる社会をつくっていくためには避けて通れない「みんなの問題」だと考えています。さまざまな問題で立ち上がっている女性たちの運動に連帯して、さらにその輪を広げながら、誰もが安心して暮らせる政治を実現するために力を尽くします。

第2部 わたなべ結は提案します

大阪の女性の「貧困と格差」を解決するための緊急策と抜本策について提案します。

(1)若い女性の心も身体も大切にするために

「わたなべ結の大阪若者提言」の「府内1000人若者調査」では、若い女性のなかで、①「非正規」が多数を占め、②「生活費に不安」「将来が不安」「心も身体も不安」との声が5割を超え、現状打開を求めつつも、「政治は変わらない」とのあきらめの声や姿がうきぼりになりました。
日本共産党は、若者の希望を閉ざす経済的な困難を緊急に打開するため、①国立も、私立も学費を10年間で半額に下げる、②月3万円の給費奨学金をつくる、③中小企業への支援と一体に、最低賃金をどこでもすぐに時給1000円にし、1500円をめざす、という3つの提案をしています。「奨学金ローン」や「ブラックバイト」問題を含め、若い女性がおかれている状況について、国と自治体の責任で実態調査をおこない、若い女性の実態に合った施策の実施・改善をはかります。
各自治体・行政区に若者たちに寄り添い、話を聞いてくれる相談窓口を増やし、各関係機関・施設との連携、救済機関の設置・拡充など、若い女性の「居場所」づくり、職業訓練など、サポート体制をきずきます。
若い女性が「ブラックバイト」で性風俗にひきこまれたり、デートDVの被害が増えています。しかし、安心して訴えられる窓口がありません。性被害を受けとめる女性スタッフを増やし、24時間いつでも相談できるコールセンターをつくります。

(2)男女差別をなくし、仕事も家庭も大切に働きたい

「睡眠時間5時間で仕事。子育てと両立したかったけど、このままじゃ死んでしまうと仕事をやめた」――働きながら安心して子どもを産みたいというあたりまえの願いが踏みにじられています。
大阪の女性労働者の非正規率は全国より多くほぼ6割、賃金は男性の51.6%で全国よりも男女賃金格差は大きくなっています。時間外・長時間労働は男女ともにまん延し、年休や生理休暇、産休、育児休暇もとりにくく、働きづづけることが困難になり、結婚・出産で、いまも6割が退職しています。妊娠出産異常は非常に多く、出生率も1.31と全国1.42を下回っています。昇任昇格も差別され、女性の管理職は1割以下です。
雇用の場での男女差別(結果としての差別である「間接差別」を含む)を是正し、均等待遇をめざします。

最低賃金を時給1000円、1500円に引き上げ、同一労働同一賃金を求めます。コース別人事制度を是正し、非正規差別をなくします。女性が多数を占め低賃金にされている保育・介護などの労働者の賃金を当面月5万円引き上げます。
労働基準法を抜本的に改正し、1日2時間、月20時間、年120時間の残業規制をつくります。「103万円の壁」をなくし、「生活費には非課税」の立場から、所得税や社会保険料の課税最低限度額を引き上げます。
生理休暇や男女とも産休・育休などの制度が取れるように環境整備をすすめます。マタハラ、セクハラ、パワハラを根絶します。女性差別による会社からの解雇、退職強要を許しません。
大阪の業者婦人の調査で6割が「営業だけで生活できない」年収200万円未満で、税金・国保・年金が生活を圧迫しています。女性を古い家族制度にしばる「所得税法56条」を廃止し、自営業者の妻など家族従業者の働き分を正当に評価し、必要経費と認められるようにします。

(3)安心して子どもを産み、育てられる社会を

「非正規の人は収入が低いのに入れず、保育料が高い認可外にいくことになる。正規と非正規の格差をなくしてほしい」「仕事が決まったけど保育所に空きがなかったので断らざるをえなかった」
保育所に入れない子どもが増え、認可保育所増設と保育士の待遇改善を求める声が大きく広がっています。大阪の待機児童数は昨年10月で3349人ですが、これから仕事を探したいという親の子どもはこの数に入っていません。
国は、認可保育所の増設ではなく、公立保育所の民営化や、安上がりの小規模保育所を増やし、民間企業の参入をすすめてきました。大阪の公立保育所は10年間に100園以上減らされました。阪南市や八尾市で浮上した公立幼稚園・保育所をつぶし、「子ども園(館)」に統合する計画は、大規模化の一方で総定数を減らすものです。安心して預けられる保育所の増設を求める親の願いに背き、待機児の解消に逆行しています。
日本共産党は、保育所問題の「緊急提言」で、入所を希望するすべての子どもが保育所に入れるように国や自治体が責任をもって公立保育所をつくること、当面全国で3000カ所の認可保育所を増設することをめざし、民間の保育所に対しては土地の提供や建設資金の負担割合の増額を提案しています。3月に野党共同で提出した法案を実現し、保育士や学童保育指導員などの給与を月5万円引き上げます。

(4)虐待・DVをなくす。まずは「居場所づくり」を

DVを受ける女性は暴力の恐怖から逃げることも、相談することもできずにいます。多くが、話を聞いてもらう人もなく、自己肯定感も生きる希望も失い、心の病を抱えています。子どもの虐待相談件数も大阪は連続してトップです(2013年8092件)。
すぐに駆け込める「避難シェルター」の拡充、なんでも安心して話せる居場所づくりを緊急にすすめます。すでに居場所づくりや相談活動を行っている民間団体の活動を支援し、連携を強め、駅やコンビニ、スーパーなど身近な場所でその活動を知らせる対策をとります。市・区役所の女性相談窓口を拡充し、正規の専門家を配置します。学校などでDVの被害者・加害者にならない教育もすすめます。

(5)老後も安心して暮らせるように

「いまの年金では、家賃を払うだけ。食べていけない」「冠婚葬祭の付き合いは無理。毎日2食。もう限界」「夫が先立ち、無収入で病気がちの息子の面倒も見ている。この先あるのは不安だけ」
大阪の65歳以上の女性は、男性より26万人多く111万人。単身女性世帯は男性の2倍で、その貧困率は5割を超えます。厚生年金受給の女性の平均月額は、10.2万円(男性の54%)で、国民年金のみの平均月額は4・8万円と、現役世代の低い賃金が老後につきまとい、生涯を通じて女性の貧困化を固定化しています。国民年金の掛け金が払えない人たちは、業者婦人や非正規労働者にも拡大しており、将来、無年金という予備軍が増加しています。
年金受給資格期間を25年から10年に短縮すること。最低保障年金制度(当面5万円)を実現することは切実に求められています。安倍内閣が決めた今後30年間毎年、年金を下げていくしくみ(マクロ経済スライド)を廃止して、どんな生き方を選択しても安心して暮らせる年金制度にすることが必要です。
介護が必要な人の67%、担う人の63%が女性です。介護保険の大改悪に反対し、国民の負担を軽減、介護が必要な人の受け皿づくりをすすめます。大阪で「介護離職」する女性が年1万人というなかで、職場で介護休暇を必要なだけとれるようにします。介護職で働く人の賃金と処遇の改善も緊急な課題です。大阪の特別養護老人ホームの待機者は8601人で施設不足は深刻です。特別養護老人ホームの建設を国と自治体の責任ですすめます。
くらしを圧迫する国民健康保険料の負担軽減をめざします。

すべての女性が希望もって生きられる社会へ

すべての女性が希望をもって生きられる社会にするためには、2つの抜本的対策が必要です。
その1つは、大阪の庶民のふところをあたためる経済政策へと大きく切り替えることです。
消費税10%への増税はきっぱり中止すべきです。賃上げと人間らしく働くルールの確立で、男性も、女性も、8時間働けば、まともな暮らしができる社会に変えましょう。社会保障は削減から充実へと流れを変えましょう。1機100億円もする米軍のためのオスプレイを4機買うお金があれば、認可保育所を400カ所建設する助成金にまわせます。F35戦闘機6機分(1084億円)で有利子奨学金を無利子にすることができます。また中小企業を守り、発展させるための支援を強化し、そこで働く人の最低賃金引き上げのための助成を拡充します。TPPはストップさせましょう。
2つは、女性の力を大いに発揮できる社会へと歩みをすすめることです。
今年、国連女性差別撤廃委員会から、日本のジェンダー平等(男女平等)の遅れがきびしく指摘されました。女性の政治参加も世界から大きく遅れています。
「女性の活躍」(安倍政権)を求める前に、一人ひとりの女性が自分らしく生きるための社会的条件整備こそ政治に求められています。
女性が経済的に自立し、その能力を発揮していくためには、男女ともに人間らしい働き方を実現し、普通に生活できる最低賃金の保障、子育てや介護の条件づくりが必要です。そのためにあらゆる政策決定への女性参加、男女共同参画をすすめます。
女性の希望ある未来へ、「平和なくして平等なし」――安保法制(戦争法)を廃止し、憲法を活かし、平和を守るとりくみを大きく広げましょう。

以上

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どの子も大切にされる社会へ―「子どもの貧困」を解決する緊急策を

2016年4月8日 わたなべ結
(日本共産党大阪府委員会青年学生委員会責任者)

「子どもたちが貧困の連鎖のなかに閉じこめられている」(大阪で「子ども食堂」を営むNPO関係者)――大阪の子どもの貧困率は年々高まり、昨年は沖縄についでワースト2位になりました(山形大学戸室准教授の調査 大阪は21・8%、全国平均13・8%)。なかでもシングルマザー世帯の65%は年収200万円以下(2015年)となっています。
子どもの貧困が広がるなかで、学校検診で「要治療」と指摘されても歯医者にかかれず「口腔崩壊」となる児童が増え、学校の荒れが増えるなど、貧困は子どもたちの体と心に深刻な影響を与えています。児童虐待相談も大阪は全国でもっとも多く(2013年8092件)、増え続けています。育児を放棄するネグレクトの増加も家庭の貧困と無関係ではありません。貧困は子どもたちから豊かな経験の機会を奪い、子どもの成長にとって大きな障害になります。
これを解決するために、国連が提唱し、日本が1994年に批准した「子どもの権利条約」の4つの権利(差別されない権利、生きる・育つ権利、最善の利益を得る権利、意見を聴かれる権利)を守り、どの子も大切にされる社会をきずくことは、政治の緊急課題です。

私は、次の緊急策を提起します。

1)大阪でも善意の「子ども食堂」が各地で誕生し、子どもたちのあたたかい居場所となっています。堺市などが「子ども食堂」への支援にのりだしています。民間まかせにせず、財政支援、場所の提供、ネットワークの構築、子どもへの周知など、公的支援を広げます。

2)安心してお医者さんにかかれるよう、子どもの医療費助成を高校卒業まで引き上げます。国が子どもの医療費助成に踏み切り、大阪府がその気になるなら、全市町村ですぐにできます。

3)小学校・中学校の給食は、自校方式であたたかく、栄養のあるものを無料で提供できるようにします。

4)シングルマザーにたいする経済的支援を拡充します。児童扶養手当の引き上げ、所得制限の見直し、多子加算の引き上げなどをすすめます。保育所、学童保育所への優先入所と保育料の軽減、長期の安定した雇用確保の就労支援、安価で良質な公営住宅の供給など、安定した暮らしへの支援を強めます。

5)生活保護切り下げを許さず、拡充します。就学援助を拡充します。

6)「35人学級」、少人数学級を実現し、子どもたちのSOSをキャッチし、子どもに寄り添う教育環境を整えます。

以上

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若者の希望をひらく政治をみんなの力で―わたなべ結の大阪若者提言

2016年1月8日

第1部 わたなべ結からあなたへ

参議院選挙の年を迎えました。「18歳選挙権」が初めて実施される選挙ともなり、若い世代の間でも政治のあり方が大きな関心となっています。

私は大学卒業後、派遣労働など非正規雇用を経験し、派遣労働者の首切りや正社員でも低賃金という実態を見てきました。働く人を大事にせず大企業が利益をあげ、これを政治が助ける。そんなあり方は変えないといけないと感じたことが、私が政治に深くかかわる大きなきっかけであり、自分自身の問題として力をいれてきたテーマです。

参院選出馬表明以来、この1年間に、多くの若いみなさんに出会いました。格差と貧困が進む中で、寄せられる声はますます切実なものになっています。

「20時にタイムカード切らされて深夜まで働き週80時間労働。もっとひどい職場を経験しているから辞められない」「週32時間のバイトと奨学金で学費を払っている。今だけでなく将来的にも不安」――

こうした現状は若者個人の問題でしょうか。けっして個人の問題ではなく、政治と社会のあり方にこそ問題があります。その改善を願うことは当然の要求です。日本社会の発展のためにも、いま本気になって現状打開に取り組まなければならない緊急課題だと考えています。

この間、府内の「若者1000人調査」や各層のみなさんとの対話・懇談を重ねてきました。そのなかで「若者の貧困」がうきぼりになりました。

  1. 若者を苦しめる非正規雇用の拡大、低賃金、長時間過密労働
  2. 「高い学費」と「奨学金ローン」「ブラックバイト」
  3. 若い女性の貧困―差別の中でより深刻化
  4. 安倍政権と若者の願いのギャップ

そして、この声にこたえた私たちの提案を5つの提案としてまとめました。

  1. ブラックな働き方をなくそう
  2. 賃上げと安定した雇用を増やそう
  3. 史上最悪の学費値上げをやめさせよう
  4. 安心して使える奨学金制度に
  5. 若い女性応援のために

「政治は変わらない」という声を聞くこともありますが、同時に、止むに止まれず声を上げ始めた若者の姿もあります。

昨年来、「戦争法」廃止をめぐる市民・若者の運動が歴史的な高まりを見せています。立ちふさがる障害を自分たちで打ち破るために立ち向かう――ここに社会を変える大きな希望があると確信します。

参議院選挙から実施される「18歳選挙権」は、若者の政治参加を保障し、大きく広げるものです。1922年の結党以来、「18歳選挙権」をかかげてきた日本共産党として、若者が輝き、未来への希望にあふれる政治をきづく一歩にするために総力をあげます。

若者が生き生きと学び、働き、希望をもって生きられる社会にするために、力を合わせ、政治を動かしていきましょう。そのために私は力を尽くします。

第2部 大阪若者提言

大阪の若者の深刻な実態――広がる「貧困」と閉塞感

大阪の青年人口(15-34歳)は190万人です。労働者は123万人、学生(院生・短大生含む)は24万人、高校生・専修学校生など32万人。女性は半数の95万人です。

この間、大阪府委員会は、民間調査機関と連携して、府内1000人の18-29歳の若者の生活実態と意識調査(以下、「1000人調査」)」をおこないました。また青年各層の団体・個人との対話・懇談で、切実な実態や政治の要望を聞いてきました。

(1)若者を苦しめる非正規雇用の拡大、低賃金、長時間過密労働

「1000人調査」では、働く若者のなかで44・2%が非正規の状態に置かれています。

「有休が付く前に解雇されるこま切れ雇用。毎月のように退職勧告をされる」「雇い止めされた一方で、求人をしていることを知ったときの絶望。10年間働いて時給900円が一度も上がったことがない」――生々しい声が寄せられます。

正規で働く労働者も、「休日出勤、夜勤をしても手取りが20万円」「20時にタイムカード切らされて深夜まで働き週80時間労働。もっとひどい職場を経験しているから辞められない」など低賃金、長時間労働で苦しめられる姿がうきぼりになりました。

ある地域労組の方が、「正規労働者の“劣化”が『ブラック企業』を野放しにし、それがさらに非正規労働者の“劣化”につながっている」と語りました。また、「ハローワークの新卒応援の求人のなかで、ブラック企業に入った」など、ハローワークを通じての求人でブラック企業が横行している現実があります。

(2)「高い学費」と「奨学金ローン」「ブラックバイト」

世界でも異常な日本の「高い学費」は、「奨学金ローン」「ブラックバイト」の「負の連鎖」となって学生を苦しめています。

「週32時間のバイトと奨学金で学費を払っているので、いまだけでなく将来的にも不安」「大学進学のために毎日バイトをしていて授業で寝てしまう」と学生生活を追い詰め、社会人にとっても、「毎月の奨学金返済が3万円以上。貯金もできず、今後の生活が心配」と深刻です。

「1000人調査」で「ローン残高」を聞くと、奨学金利用者の6人に1人が「500万円以上」と答え、「1000万円以上」という回答も6人から寄せられました。

そのなかで「ブラックバイト」問題が深刻になり、高校生のなかにも広がっています。

「“研修”といわれ、最賃以下の700円で半年間働かされた」「制服代3000円が自己負担だった」「発注の作業を数個間違えると自分で買い取りになる(高校3年生)」「夜10時を過ぎても働かされたのに高校生なので給料が出なかった(同2年生)」。異常な高学費と「奨学金ローン」のなかで、「ブラックバイト」から抜け出せなくなっている実態もうきぼりです。

(3)若い女性の貧困――差別の中でより深刻化

日本社会に横たわる女性への差別と格差のなかで、「若い女性の貧困」はより深刻化しています。

「1000人調査」では、①女性のなかでは「非正規」が5割を占める。②「生活費に不安」「将来が不安」「心も身体も不安」との声が5割を超え、現在、未来に不安をかかえている。③「政治への不満」は男性を上回るが、「政治は変わらない」という声も大きく、現状打開を願う思いと変化の展望に大きなギャップがある、などの姿が特徴的です。

聞き取りでは、「深夜22時~23時まで働くことがある」「非正規で働くが8年間最賃。最賃が上がる時しか給料は上がらない」などの声が寄せられました。

(4)安倍政権と若者の願いのギャップ

「1000人調査」では、政治にたいする「満足」「やや満足」が10%にとどまる反面、「やや不満」「不満」が46.8%を占めています。そして、「国政選挙の争点」(複数回答)として、「消費税10%への増税ストップ」が44.3%とトップ。ついで、「社会保障の充実」37.1%、「子育て支援」36.2%、「安定した正規雇用を増やしてほしい」35.2%と続いています。

雇用破壊による貧困と格差の拡大、異常な高学費と「奨学金ローン」のおしつけ、消費税10%増税など安倍政権の政治が大阪の若者たちとの矛盾を広げています。大阪の「維新政治」も、雇用の66%を占める中小企業支援策の削減、「府大・市大統合」の強行、新婚家庭家賃補助のカット、保育料の値上げ、市職員への「思想調査」にみられる民主主義破壊など、若者の現在と将来を脅かしています。府は橋下知事時代、「生活文化部」に属していた「青少年課」を「危機管理監」のもとに移し、「非行防止」などの対策を中心としています。

憲法破壊の「戦争法」に反対し、「未来を決めるのは私たち」「だれのこどももころさせない」とSEALDs、SADL、「ママの会」など若者のたちあがりが広がり、同年代の共感を呼び、全世代を励ましています。

一方で、「政治は誰がやってもいっしょ」「枠組みが決まっているから仕方ない」とあきらめや不信を持ち、「政治は変えられない」という回答が「変えられる」を上回るなど、模索する姿にも出会います。

若者の実態と願いにこたえて日本共産党は提案します

大阪の若者が現状を打開し、将来に希望がもてる社会をつくるため、次の重点政策をかかげ、その実現のために全力をつくします。

(1)ブラックな働き方をなくそう

国民世論と運動が「ブラック企業」「ブラックバイト」問題を一大社会問題に押しあげてきました。日本共産党はブラック企業規制法案を2013年に初めて提出。厚労省が実態調査と違法行為の是正に乗り出し、新入社員の離職者数公表の対策を取らせるなど、政治を動かしてきました。昨年の国会では、ブラック企業の新卒求人をハローワークが拒否することを盛り込んだ青少年雇用促進法が成立しました。国として初めて、アルバイト経験のある学生に対して実態調査を実施しています。

国による企業、学生に対する実態調査の結果を生かし、ブラック企業の公表と改善を進めるなど、解決へ踏み込んだ施策をとることを求めます。

ブラック企業規制法(長時間労働の是正▽求職者などへの情報公開▽パワハラ根絶の3本柱)の成立をはかります。

労働基準監督署の体制強化や相談窓口の拡充、ハローワークの体制を抜本的に拡充します。

各自治体に「ブラック企業・バイト」問題の相談窓口やサポートセンターを設置・拡充します。

高校や大学で雇用のルールを学ぶ機会をつくるなど、働く者の権利や法律的知識の若者への普及に政府が責任をもつようにします。

(2)賃上げと安定した雇用を増やそう

若者が「人間らしく働けるルール」を確立するために、何よりも大幅賃上げと安定した雇用の拡大が求められます。

労働者派遣法を派遣労働者保護法に抜本改正し、派遣労働の受け入れを臨時的・一時的業務に厳しく限定し、派遣から正社員への道を開くなど、派遣労働者の生活と権利を守り、正社員化をすすめます。不当な差別や格差をなくす均等待遇をはかります。登録型派遣、製造業派遣を禁止します。

パートなどの非正規労働者と正社員の均等待遇をすすめます。中小企業への支援と一体に最低賃金を1000円以上に引き上げて、自立できる賃金にします。全国一律最賃制を確立します。

(3)史上最悪の学費値上げをやめさせよう

安倍政権が狙う国立大学の学費連続値上げをストップすることは急務です。日本共産党はアピール「安倍政権による学費の連続値上げは許さない――大学予算削減を学費値上げでまかなう方針を撤回させるために、力をあわせよう」をだしました(2015年11月20日)。

この計画は今後15年間、国立大学にたいする国からの支出を1948億円削減する一方、大学の「自己収入」を2437億円増やせというものです。授業料で穴埋めするなら、15年間毎年2万5000円程度値上げ、学費は現在の約53万円から93万円となってしまいます。

これを許せば、「異常な高学費」「奨学金ローンづけ」「ブラックバイト」の「負の連鎖」からますます抜けられなくなります。若者と子どもたちから夢と希望を奪い、「等しく教育を受ける権利」(第26条)を定める憲法を踏みにじり、教育への「投資」を削減する「亡国の政治」にほかなりません。

断固阻止し、学費値下げへと転換するために、共同のたたかいを広げます。

(4)安心して使える奨学金制度に

奨学金制度を抜本的に改善します。

いまの有利子奨学金は、最大で年利3%の利子負担が生じ、月10万円の奨学金を受けると、4年間で480万円。20年かけて上限利率で返す場合には、返済総額は645万円、毎月2万6914円にもなります。新規に貸与する奨学金は無利子にすることを国に求めます。在学中の学生には、有利子奨学金を無利子奨学金に「借り換える」制度をつくり、国が利子を負担することで全員の無利子化を実現します。

経済協力開発機構(OECD)に加盟している34カ国のうち、大学の学費が有料で、かつ返済不要の奨学金制度がないのは日本だけです。高等教育における国の支出はOECD加盟国平均の半分以下です。これを引き上げ、給付制奨学金を創設します。

大阪府独自の「利子補給制度」や独自の給付制奨学金制度を創設することを求めます。大阪府大・市大の「統合」に反対します。

(5)若い女性応援のために

若い女性の困難打開は、男性も女性も、若者みんなが希望ある未来をひらくための大事な課題です。

貧困率が特に高いシングルマザー、表面化しにくいDV(ドメスティック・バイオレンス)問題などを含めた実態調査を行い、女性の貧困化の実態をつかみ、これにかみ合った施策の実施・改善を図ります。

一般労働者とパート労働者の均等待遇をはかるパート労働法の抜本改正をはじめ、〝同じ仕事をしているなら同じ賃金を〟という原則を確立します。

各自治体・行政区に女性のための生活相談窓口を設置し、各関係機関・施設との連携、救済機関の設置など、若い女性の「居場所」づくり、職業訓練など、サポート体制を構築します。

認可保育所の増設、育児休業制度や児童扶養手当の拡充などで、くらし・子育てをささえます。

以上