わたなべ結 日本共産党

news

Speech

中之島まつりでのテーマ①「憲法改正の是非」

[2016.05.06]

私は憲法の改正は必要ないと考えています。むしろいま必要なのは「憲法をないがしろにしている政治」を変えることだと考えています。

最近の世論調査でも、「憲法を変えるべきでない」という声が「変えるべき」という声よりも上回っています。安倍政権になってからこの傾向は強まっていまして、これはやはり危機感が広がっているんじゃないかと思います。

 

私は、実際にいまの日本国憲法が直面している危機が、具体的に3つあるというふうに考えています。

 

1つ目は、昨年9月に「安保法制」、私たちは「戦争法」と呼んできましたが、これが国会のなかで強行・成立されられました。これは憲法違反の法律です。日本の自衛隊が戦後初めて海外に出て武力行使をする。殺し、殺される危険があるという、こういう法律ができて、いま現実的な危険が迫っています。そして、憲法にのっとって政治をしなくちゃいけない、いまの政権が、これまでの憲法解釈をひっくり返して憲法を踏み破った。「国民が権力をしばる」という「立憲主義」というのを壊してしまったということがあると思います。

 

安保法制で今回認められた「集団的自衛権の行使」というのは、日本が攻撃をされていないのに、武力行使を日本の側から可能にするというもので、相手の国からみれば日本が先に攻撃する。つまり相手にすれば、それをやり返す大義名分を与えてしまうことになります。これでは国民の命を守るどころか、危険にさらすものだと思いますので、こういう法律は一刻も早く廃止にして、そして憲法の枠内で政治をするという「立憲主義」をまず回復しなければならないというふうに考えています。

 

2つめの危険は、日本国憲法には生存権や幸福追求権、個人の尊重、教育の機会均等など世界でも先進的な人権条項がありますが、それがいまないがしろにされています。

アベノミクスということでやられてきましたが、そのなかで一部の富裕層や大企業は本当にうるおいました。しかし、私たち庶民のくらしというのは、本当に汲々としていて、格差と貧困が拡大してきました。

貧困と格差を正して公正・公平な経済にしていく。そういう社会に変えていくためにも、この憲法の人権条項を生かす政治に変えなければならないと考えています。

 

3つ目は、安倍首相自身が今度の参院選で憲法の条項そのものを変えるという「明文改憲」をうちだしていることです。

自民党の「改憲案」をみますと、憲法9条の2項を書き変えて「国防軍」をもつことを明記し、海外での武力行使を無条件にできるようにするということや、また「緊急事態条項」ということがテレビでもいろいろいわれていますけれども、首相が「緊急事態」ということを判断すれば、首相に権限を集め、権力を集中して、国民の基本的人権を制限することも可能になるという、とてもこれは独裁的な政治に道をひらきかねない危険があると思います。

 

いま全国でこうした憲法をないがしろにする安倍政権に対して、「憲法違反の戦争法を廃止」し、日本の政治に「立憲主義」をとりもどす。憲法の枠内でちゃんと政治するんだという一点で、大きな市民のみなさんの動きも広がっています。3日は憲法記念日だったんですけれども、扇町公園に市民のみなさん2万人が集まりました。ここに私も、今日来られている民進党の尾立さんも、それから社民党、生活の党の代表の方もこられて、一緒にこの一致点でがんばろうと訴えたんですけれども、私はこうした大きな立憲主義を取り戻すという大きな共同がすすむなかで平和の問題も、暮らしの問題も、憲法をないがしろにしている政治の中味も変えられると考えています。

 

中之島まつり